好きなものを好き勝手

熱しやすく温く続く趣味の考察とか

ピース又吉に鍛えられる心

ピース又吉のファンである。

というか、ピースのファンなんだけどどっちかと言うと又吉。ここをよく勘違いされる方がいるのだが、相方の綾部さんだって興味深い。好きである。

今年、芥川賞を受賞してから本関連の露出ばかり増えて、個人的に追いきれず拗ねたりライブになかなか行けなくなって(チケットが取れなくなった!)拗ねたりしているものの、やはり彼のことは好きだ。

 

彼はどこかしら頼りなげに見えて、肝が据わったところがある。

特に好きなものに関しての、開き直り方は胸をすぅっとさせてくれた。

ミーハーで何が悪い?

彼はそう挑んでくる。そんな言い方は決してしないけれど、彼の真っ黒で純粋な目と膨大な書物を詰め込んだ本棚たちが迫ってくる。好きなものは好きなのだ。太宰だって、芥川だって、くるりだって真心だって、盆栽も洋服も和服も古着も…。それがどれだけ「ベタ」だと言われても。自分の感覚、価値基準に正直であり続ける。

こんなこと言っている人はゴマンといることは分かっている。けれど、その「好き」が高じすぎているのだ。彼は。笑っちゃうくらい、本人意図しないところにまで影響を及ぼし、すべてが彼の糧になっているのがありありと分かるのだ。その説得力たるや。

 

まったく気にならない! なんて言うのは無理だけど、ミーハーだな、流行りに乗ってる感じ、これを手に取る自分、を、見られてる感じ、恥ずかしいな。そんなこと思ってばかりの自分に、できるかぎりこの一石を投じる。

好きなものは好きなのだ。

欲しいものは欲しくて、警察沙汰にならないのだから、手に入れたって文句言われる筋合いはない。顔も見えない誰かに、「うるせぇ、ほっとけ」と罵声を浴びせる。

 

 

そうやって必死に必死に言い聞かせて、私は又吉の帯が付いた本を手に取り、V6の載る雑誌を手に取り、ちょっと前かがみ気味にレジに向かうのです。