好きなものを好き勝手

熱しやすく温く続く趣味の考察とか

解散のこと。ジャニファンのこと。虹の向こう側の国の話

事務所の肩を持つような内容になるので、読みたくない方はスルーしてください。

 

 

寝る前に嫌なツイートを見た。 起きたら嫌なツイートを見た。

SMAPが解散するんだって。もう決まったことなんだって。

平成生まれで、物心ついてから初めて「ジャニーズアイドルの解散」を目にします。

 

 【このタブを開いたからには自己責任でお願いします】

《私の基本的立ち位置》

私はV6にハマるまで、アイドルにとんと興味ありませんでしたし、ジャニーズという名前だけで(なんだよ…)と思うタイプの人間でした。音楽特番では今と真逆で、ジャニーズメドレーが存在することに苛立っていました。面白い番組など皆無だと、テレビを見ない時期も長らくありました。女性誌など又吉さんの芥川賞特集記事目当てでしか手に取ったこともありませんでした。

だから、今でもジャニーズは「虹の向こう側の国」です。自ら込み入ったことを詮索しようとはあまり思いません。

 

《報道を素直に受け取った感想》

今回の解散報道で、私が自ら進んで得た(目を通した)情報は、朝日新聞デジタル版の解散の旨を伝えるものと、個別のコメントです。そしてジャニウェブでの発表記事。

そこからは、事務所側が

1月の騒動から建て直し、25周年の企画を複数進めていたこと

夏の音楽特番にも出演するよう働きかけたこと

それも無理ならと休止を勧めたこと

それすら拒否されたのなら打つ手なし、本人の意向を尊重するほかなしと判断した

という印象を受けました。

個別コメントでは寒気を覚えるほどの温度差を感じました。あまりにもプロのアイドルとして酷いと思ったので、もう一度読み直してどのようなコメント取りをしたのかとても気になりました。中居くん・木村くんは言葉の切り方が口語っぽく*1、他3人は文語に思えます。文章は支離滅裂にならないために一旦冷静になるし、改まった話しぶりになるのでそりゃ温度差出るわな、と。

なぜこのような取材になったのか、そもそも記者はどこの誰なんだろう。コメント出しのセオリー的なものは知らないので気になるところですが問うたところでまた新たな疑念が沸くだけなんでしょうね。

 

音楽特番に関して、SMAPが出演しないことはとても話題になっていたし、さすがに疑問に思っていたことです。まことしやかに言われるように、差し止めを食らっているなら悲しいなぁと思っていました。

でも、本人がそこまで嫌ならしょうがないのかなぁ。 私はそう思いました。

 

《ジャニーだのメリーだのジュリーだの飯島だの》

知らんがな。

私が虹の向こう側の国に触れるまで、ジャニーしか知りませんでした。こんなおもしろネーミング一族だと思わなかったです。派閥がどうって話も知らなかった。

知らないんですよ、一般人はなんでファンになって事務所内のことが分かるようになるの? って、自分より古参の方から聞いたり、女性誌スポ紙で触れるからではないでしょうか。ここがすごく疑問に思うところで、なぜいつも敵対視しているはずの週刊誌を、それについてはしっかり受け止めるの? 事務所の内情を知ったところで、それを読んだところで自分たちはどうすることも出来ないって解りきっているのに、なぜ傷つきに行くの。私はいつぞやメリーさんが激怒して飯島さんを呼び出した! みたいな記事を読みましたが(大変そうだね)の感想しか浮かびませんでした。

ま、それは熱愛報道とかにも言えることなので 性癖なのかな、と思うことにしています。そういう人がいるから商売成り立っているんですよね。

 

《過去のグループと比べるマンについて》

意味なくない?

男性アイドルが(ジャニーズアイドルが?)高年齢化してから初めてのことでしょ。その分あちこちから強いつながりを得て、同時にがんじがらめになったことだろうと思います。SMAPはバラエティ路線を開拓した功労者なのだから、25年なんてひとつの歴史とも言える時間なのだから。

結成にはそれぞれ無二の奇跡があり、解散にもまた言えることと思います。

 

《あなたが知りたい真実って何》

直接本人の口から事情説明してほしい、というツイートをよく見かけました。

その結果が1月の緊急放送のアレなんじゃないの。どちゃめちゃ叩かれたじゃない。私は人の機微にとかく疎い自覚がある。知人に彼氏ができたとか失恋したとか気づかないタイプなので、目線や表情でうかがい知ることなんてできません。ジャニーズに寄せて言うなら、例えば坂本君と剛君がギクシャクしていた時代の映像を見ても、そうと言われなければ気づけない自信があるくらい鈍感です。

1月のは、解散するだのしないだの国会議員がなんか発言したり海外にも激震走ったり大げさじゃなく大袈裟なことが起きてしまったと思います。それに対し、齢40前後の人が公式コメントを発するとなった場合、明るくへらへら話すわけにいかない。固く、神妙な顔つきにならざるを得ないと思います。結果的に「言わされている」という見方が強く、会見は失敗だっただろうと思いますが。

さて、相互フォローのファンの方が「真実の絶望」を望まれていました。おそらく私の呟きへの返答の意味で。リプライで来ていたら、まろやかにかつ真っ向から反対していたと思う言葉でした。ここでその言いかけた私の意見を書きたいと思います。

あなたはどの絶望を望まれているのでしょうか。

あなたが幻だと思いたがったことが真実で、メンバーのひとり(ないし複数人)が「僕が解散したいと意見しました」と、実際に本人の口から発表されたとして、です。

その理由がメンバーの不仲や修正不可能な食い違いだったとして。

さまざまな角度から矛先が向けられるのは目に見えているじゃないですか。ニュースの見出しだけ見る一般人からは国民的スターグループを解散に追い込んだ張本人だと。ファンクラブ会員からは裏切り者だと言われます。ファンを名乗る人同士が傷つけあうのはとても醜い光景です。けれど絶対に起こってしまうのは、ファン歴やグループの見方、応援スタイルの違い、箱押しか至上主義かなどを考えると仕方のないこと。実例をあげればキリがないのではと思いますが…秩序を失ったヲタクほど煩わしいものはありません。

そしてSMAPがいま関わっている多くの仕事の契約先にも迷惑がかかっているでしょう。致命傷になりかねない信用問題です。解散後も全員事務所に残り、彼らは芸能活動を続けるといいます。でも、そんなレッテルを貼られたタレントはなかなか起用できないと思います。そうしたら、表舞台から完全に消えるという絶望があるのではないでしょうか。

もちろん、多くの方(?)が思っているような事務所の圧力が原因という真実も可能性を捨てられません。ただ、絶対そうに違いないと信じて「真実」を明かそうとするのは、精神的に危険なのではないかと余計なお世話で心配をしてしまうのです。あなたが「望む」絶望は、絶望ではないと思います。

 

《事務所は絶対悪なのか?》

 私が思い出すのは、少年倶楽部プレミアムで語られたTOKIOのデビューの話。「もっとロックバンドっぽい曲をやりたい!君じゃなくてお前っていう感じの。なにがLOVE YOU ONLYだ!」 とかいうテンションのもと、事務所に全員で直談判しに行ったエピソードです。そのとき、事務所の人には正論を突き付けられ(そんなにやりたければ路上でもなんでもやればいい、今ある仕事全部辞める覚悟があるならどうぞお好きに)、TOKIOのメンバーは誰も反論せずに引き下がったといいます。それを脅しととる人もいるかもしれないけれど、それが大人の社会の対応なんだろうなと思います。

今年のトニセンラジオで、数年前に坂本君に「佐野を見習え」としきりに言っていたというメリーさんの話も印象に残っています。個人で活動をしている人の動向も見守っているのがうかがい知れました。もう妙齢なのに、よく顔と名前を憶えているなぁとも思います。ジャニーさんも。押されるも干されるも、そういう世界なんだろうなって思います。その博打みたいなところが魅力的で、憧れるんじゃないんですかね。

 

《残るもの》

たくさんあります。その残ったものが、なるべくいつまでも美しく輝いたままでいてほしいです。その中には、この騒動のさなかでも各地で活動をしている事務所所属の先輩・後輩がいて、その間にはファン垂涎の絆エピソードという宝物もあると思います。

私はSMAPに思い入れはないけれど、自分の人生で触れてきた多くの楽曲の思い出と共に、こういう宝物を愛しながらSMAPの5人を感じていきたいと思います。

*1:「・・・」が公式コメントとしては個人的にとても気に食わない